キャットフードの色は誰のためのもの?おいしそうな色のフードに潜む罠とは
市販のキャットフードには、赤や緑、黄色などのきれいな色のものがありますよね?時々紫色のフードがあって驚くこともあります。しかし、飼い主さんはそれを見てどう思うのでしょうか。
パッと見ておいしそうに見える、色のついたキャットフードは猫ちゃんにとって必要なものなのでしょうか?私たち人間は、食品の色がカラフルだとおいしそうと感じることが多いですが、猫ちゃんもおいしそうと思うのでしょうか。
今回は、キャットフードにおいしそうな色がついているのはなぜなのか?危険性はないのかをご紹介します。
キャットフードのおいしそうな色は誰のためのもの?
市販の有名メーカーのキャットフードに多いのが、赤や緑、黄色やオレンジなどの色がついたフードです。赤い色のフードはお肉、緑のものは野菜、黄色やオレンジのものはニンジンやカボチャを使っているように見えます。
実際に原材料を見ても、お肉や野菜、カボチャなどを使っているので、その色が反映されていると感じるかもしれません。
このことからも、「このキャットフードはしっかりお肉や野菜を使っているのだな」と思えますね。
そして、そのような色がついているキャットフードを見た私たちは、「おいしそう」と感じることがほとんどではないでしょうか?そのため、キャットフードの色は飼い主さんに向けてのものだといえるのです。
猫はおいしそうな色だと判断できるのか?
猫ちゃんの場合はキャットフードの色を見て、おいしそうと思うことはありません。猫ちゃんは基本的に色よりもニオイによって、食べ物がおいしそうかどうかを判断するからです。
特に赤色は、人間ほど認識する能力を持ち合わせていないとされています。
そのため、キャットフードにいくら赤や緑などのカラフルな色がついていたとしても、猫ちゃんの場合はそれを見て、おいしそうだとか食欲をそそられたりはしないのです。
キャットフードの色はあくまで飼い主さんに向けてのものであり、キャットフードのニオイは猫ちゃんにおいしそうな食べ物と思わせ、食いつきをよくするものなのです。
色のついたキャットフードの危険性とは?
キャットフードに使われている色は合成着色料や天然着色料が使われています。これらの着色料は、キャットフードだけではなく私たちが食べる食品(かまぼこや漬け物、お菓子やジュース、シロップなど)にも使われています。
●合成着色料 赤色、青色、黄色●●号と呼ばれる着色料です。
着色力が強く、食品に添加しても味が変わらないことからよく使われています。
●天然着色料 植物や鉱物などから取り出した着色料です。
着色力は比較的弱く、食品に添加すると味が変わることがあります。
合成着色料でも天然着色料でも、どちらも危険性は報告されていて、天然着色料だから安全とは言い切れません。
具体的な危険性は下記の2つが挙げられます。
発がん性のリスクがある
合成着色料の赤色や、お肉などを赤色に発色させるための添加物である「亜硝酸ナトリウム」などは、お肉の色素に反応して赤くなりますが、この際にお肉に含まれるアミンという物質と反応すると、発がん性物質である「ニトロソアミン」が作られてしまうことが報告されています。しかし、ニトロソアミンの発がん性は、太陽光に当たるのと同程度といわれていますので、決して強い発がん性が認められたわけではありません。
亜硝酸ナトリウムは着色料扱いされていないため、キャットフードに添加されていても「着色料無添加」と表記することができるため、少し注意が必要です。
また、青色着色料はラットの実験結果で発がん性が認められていますが、それは大量の着色料を長期間皮下注射して得られた結果であり、経口検査では異常は認められませんでした。
しかし、EU諸国では青色1号の使用が禁止されています。
アレルギーが起こるリスクがある
着色料の中でも赤色40号や102号などは、ウイルスなどに過敏に反応しやすいため、アレルギーになりやすいといわれています。また、黄色5号はぜんそくのアレルゲンとなりやすいと報告がされていて、赤色102号はアメリカやカナダでの使用が禁止されています。
猫ちゃんのアレルギーは食物アレルギーが多く、キャットフードの原材料であるお肉の動物性タンパク質に反応していることもありますが、アレルギーのリスクが報告されている着色料を使っている場合、着色料が原因となっているかもしれません。
アレルギー検査は動物病院で行われていますが、正確なアレルゲンを特定することは非常に難しいとされています。
このことからも、アレルギーの原因となるものはできるだけ避けるようにした方がいいでしょう。
まとめ
キャットフードのカラフルな色は、飼い主さんにおいしそうと思わせるのが目的であり、猫ちゃんには必要のないものなのだとわかりましたね?キャットフードは高温で処理するために、そのままでは茶色のことが多いです。
それだと飼い主さんが見たときにおいしそうと思えないため、お肉や野菜の色を模した赤や緑の着色料が使われているのです。
着色料は合成でも天然でも発がん性やアレルギーが疑われているので、できるだけ着色料の使われていない無添加のキャットフードを選ぶのが賢い選択といえるでしょう。